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蜷川幸雄72歳老いてなお青春真っただ中
映画『蛇にピアス』舞台「ガラスの仮面」完成会見で毒舌健在

2008/07/15
ARATA、高良健吾、吉高由里子、蜷川幸雄監督、金原ひとみ(左から)
ARATA、高良健吾、吉高由里子、蜷川幸雄監督、金原ひとみ(左から)
 世界的演出家の蜷川幸雄が15日(火)、映画監督第5作『蛇にピアス』の完成会見、音楽劇初演出に挑戦する「ガラスの仮面」製作発表で東京・六本木のホテルをはしごした。

 芥川賞受賞作の「蛇にピアス」は、「映画にしたら、お客さんが入らないだろうな」が読後の率直な感想。しかし、ロンドンに滞在中、外国人記者から映画にしたいと考える若手監督が何人もいると聞き、「だれが渡してなるものか! と思った」と翻意したという。

 さらに、「主演の3人を見ていると保護者のような気分になってくる。でも、若者とジジイのコラボレーションだなんて思わないでほしい。オレは若いと思っているし、外見さえ比べなければ全然違和感ありませんよ」と健在をアピールした。

 原作者の金原ひとみは、「映画化の話を頂いて、蜷川さんならいいよ、と話したらすんなり引き受けてくれた。最初からピンポイントでねらっていました」とニヤリ。映像化された作品を見て、「原作に忠実でありながら、きちんと蜷川ワールドが加味されて成長してくれた。登場人物の一面を鋭くとらえていて、私にとっても大きな発見だった」と巨匠の洞察力を絶賛だ。

 映画初主演で体当たりの演技を披露する吉高由里子は、「地球って約42億年の歴史があるなかで、私なんてたかだか20年。交通事故でICU(集中治療室)に入院してつらい時期もあったけど、地球のため息くらいで私の一生が終わってしまうなら、皆さんにすべてを託してしまおうと思った」と独自のニュアンスを交えて語った。

蜷川幸雄、大和田美帆、奥村佳恵、夏木マリ(左から)
蜷川幸雄、大和田美帆、奥村佳恵、夏木マリ(左から)
 一方、「ガラスの仮面」では、北島マヤ役の大和田美帆と、姫川亜弓役の奥村佳恵の主役2人を、2300人の応募のなかから選んだ。蜷川は抜てきの理由を、「大和田はラーメンの出前でも配達していそうな庶民的な雰囲気が良かった。奥村は見た瞬間に決めた。最近の若い女優は他者とのコミュニケーションを取ろうとしないことを良しとするバカが多いが、18歳のこの子はちゃんとしていた」と“蜷川節”全開で説明した。

 また、“彩の国ファミリーシアター”と銘打たれた本公演について、「家族全員が楽しめるような作品が必要だ。それに若い俳優も育てなければならない。それには、体力のあるうちに手をつけておきたかった」と語った。

 これには、物語のかなめとなる月影千草を演じる夏木マリが、「世界の蜷川が、家族全員に見てもらいたいと思う時代がやってきたんだ! あのとんがってた蜷川さんからは想像もつかない。今やとても良いおじいちゃまですもの」と指摘。娘の蜷川実花が2007年12月に出産した初孫のことに話題が集中すると、「うるせえ。ちくしょう」と悪態をつきながらも穏やかな表情を浮かべていた。

 『蛇にピアス』は9月、ギャガの配給で東京・新宿バルト9ほか全国で公開される。

 「ガラスの仮面」は8月8日から24日まで、彩の国さいたま芸術劇場で上演し、大阪、九州へ巡回公演する。

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