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巨匠の貫録“たけし旋風”ヴェネチアを席巻
デイリー・ペーパーでは堂々表紙ゲット

2008/08/28
森昌行、北野武、樋口可南子(左から)(C)若山和子
森昌行、北野武、樋口可南子(左から)(C)若山和子
 第65回ヴェネチア国際映画祭のコンペ部門に選出された『アキレスと亀』の北野武ビートたけし)監督と、共演の樋口可南子森昌行プロデューサーが28日(木)、公式上映を前に会見した。

 1997年『HANA-BI』で金獅子賞、03年『座頭市』で監督賞に輝き、映画祭の参加も7回目とあって、ヴェネチアではマエストロ(巨匠)と称えられているたけし。注目の最新作は、午前9時からのプレス試写に行列ができる人気ぶりで、笑いと衝撃的なシーンが錯そうする独特の映像表現に、世界各国のプレスは一様に引き込まれていた様子だった。

 各会場で配られるデイリー・ペーパー「CIAK」では2日目の表紙を飾り、「ビートたけし」に掛けた“The Beat Goes On(キタノ旋風は続く)”の見出しでポーズを決めている姿は堂々たるもの。初日の表紙がジョージ・クルーニーブラッド・ピットの2ショットだったことからも、ヴェネチアでの存在の大きさがうかがえる扱いだ。

 売れないながらも夢を追い続ける画家・真知寿(まちす)と、それを支える妻との無償の愛を軸に描く叙事詩。その中にも、シニカルな笑いや死生観をちりばめた“たけしらしさ”が随所にうかがえる。

たけしが表紙を飾ったデイリー・ペーパー「CIAK」
たけしが表紙を飾ったデイリー・ペーパー「CIAK」
 会見では、「今回の作品はシリアスに撮られているようだが」との質問が飛んだが、「今までも自分ではまじめに作っていた」と強調。そのうえで、「ある程度、遊びを入れて作ると逆にシリアスに思われるのかなと思って作ったら、『ちゃんとまじめに撮りました』と言われて、うれしいんだか、悲しいんだか」と自ちょう気味に語った。

 発想については、前2作(『TAKESHIS'』、『監督・ばんざい!』)の影響があったことを示唆。「絵が好きなこともあるけれど、自分のここ2、3年の映画があまりにも不評なんで非常に悩んで、それは売れない画家と同じなんだと。それで、アートは成功しなくてもやっていることだけで価値があるんだということに気づいた」と、主人公に自分自身を投影させたことを明かした。

 また、アートの本場ヨーロッパだけあって、質問は真知寿が描いた多彩な絵に集中。「『HANA-BI』も今回も、自分で描いた下手な絵を選んで使った。ピカソやゴッホを使った映画があるけど、本物は60億もするわけだからコピーを使うことになる。自分の絵はただ同然だけど、本物だからちょっとは面白いかな」と自信をうかがわせた。

 一方、献身的な妻としてかなり大胆な演技を要求された樋口は、「現場では手強かった」とたけしに感謝!? それでも、海外の映画祭はもちろん、イタリア自体が初めてとあって「今日はとてもうれしいです」と笑顔で話した。

 『アキレスと亀』はこの日午後7時(日本時間29日午前2時)から公式上映。日本では、東京テアトル/オフィス北野配給で9月20日(土)、東京・テアトル新宿ほかで公開。


フォトギャラリー、現地レポートなどヴェネチア国際映画祭特集はこちら!

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