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不況の影響いかに?国際テレビ番組見本市
株価暴落、広告収入減、新メディア登場に悩む欧州TV局

2008/10/10
 米国に端を発した世界的な金融危機が、仏カンヌで13~17日に開催される国際テレビ番組見本市「MIPCOM」へさまざまな影響を及ぼしそうだ。特におひざ元のヨーロッパでは深刻な問題となっている。

 米メディア・リサーチ会社Oppenheim Researchのマーカス・サンダー氏は、「ドイツのテレビ局ProSiebenSatの株価下落を見てわかるように、現在はテレビにとって非常に難しい時期です。状況改善のための特効薬が存在しません」と語り、2009、10年にかけてテレビの広告収入の減少を予測する。欧州では、ProSiebenSat.1と英ITVが、広告収入予測を下方修正しコスト削減の準備を行っている最中だ。

 こうした中、MIPCOMでバイヤーの財布のひもが固くなることは避けられないが、コスト削減が急務とはいえ、値段の安さだけでコンテンツを選ぶことの危険性を指摘する声もある。視聴者動向をリサーチするWitのBertrand Villegas氏は、「視聴者がインターネットやゲームに流れつつある今、安手の番組ばかりを提供すればテレビ離れを加速させ、広告収入減は必至。下方スパイラルを起こすことになります」と注意を呼びかける。

 例年、目玉となるのは米テレビ番組だが、今回のラインナップには「Dr. House」や「HEROES/ヒーローズ」のような注目作品がないため、値下げ交渉の余地はあるようだ。米市場からの唯一の大型番組はJ・J・エイブラムスがプロデュースする“Fringe”くらいだとVillegas氏は主張する。

 米脚本家組合(WGA)によるストライキも影響を及ぼしそうだ。ストの影響で制作スケジュールに遅れが出ているため、バイヤーたちは米国での成功例を確認してから買い付けることができない。ProSiebenSat.1の買い付け担当者は、米国のドラマ・シリーズは視聴率を稼げるものが多いと認めているものの、継続の可能性が見えない最初の数エピソードの買い付けについて広告主は慎重になるものだと指摘する。

 ジャンル別の傾向もある。例えばシリアスなドラマは、ドイツではあまり受けがよくないという。「若い世代は毎週、同じ時間に番組を見る傾向にない。また、『ダメージ』のように頭を使う内容も避けがちで、視聴率は落ちている」(ProSiebenSat.1の買い付け担当者) ファンタジーは、広告主がターゲットとする若い世代に支持されるが、いまだコア・ファン向けジャンルというイメージが強いため、小規模チャンネルに落ち着くことが多いようだ。

 一方で、不況のときこそ人気が出る番組もある。たとえば、“X-Factor”や“Pop Idol”のようなファミリー向けの娯楽番組は、これまでにない人気となっている。不況時には、家族向けバラエティ番組やスポーツ中継も高い人気を誇る傾向にある。最後には事件が解決する犯罪捜査ドラマも、人気を維持すると見られている。

 金融危機に広告収入減、新メディア登場など、あらゆる面において、各国のテレビ業界は正念場を迎えている。

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